Aチームが先攻、Bチームが後攻で試合開始。直すべきところはどこでしょうか。チーム名と選手名は仮名です。
実戦と同じルールであれば、九回表を終えて後攻チームがリードしている場合は九回裏を行いません。「0」だと九回裏を行った結果0点だったことになってしまうので、解答で示した赤字のようにします。
ちなみに、解答で示した赤字は、「×(乗算記号)」でも「X(エックス)」でもない新聞独自の記号です。
野球のスコア入力は自動化されている部分もありますが、新聞にはアマチュア含めさまざまな規模の試合結果が載ることもあり、まだ手作業が残っています。
こういった記録の校閲をするとき、出稿部から「照合用」の公式記録を見せてもらえることがあります。しかし、どうしても人間のやることにミスはつきもので、公式記録にも間違いがある可能性を排除できません。校閲としてはただ単に資料との照合をするだけでなく、単純な計算や整合性の確認くらいはしても損はないでしょう。
見どころたくさんのスポーツ記録。今回の場合も、ぱっと見て気になるのは……
・今回はチーム名と選手名が仮名ですが、実際は間違っていないかしっかり確認する必要があります
・チームの総得点が各回の得点の合計と同じになっているかどうか。一見当たり前のようですが、校閲としては足し算してしっかり確認しないといけません
・投手―捕手や本塁打のチーム名を表す「(A)」「(B)」に、全く関係のない字が使われていないか。例えば「(C)」などとなっていたら変ですね
・本塁打を打ったのは本当にBチームの佐々木選手だけかどうか。Aチームの選手名がないからといって、Aチームの本塁打の有無を確認する必要がないということにはならないので要注意です