前回に続き今春の新入社員・谷井さんに、就職活動の様子などについて聞きました。
――就職活動中に、うちの部の人に話を聞いたということだけれど、どういう話を聞いて校閲記者になる決意を固めたのか、そこのところを。
谷井:私が日常生活で感じてることと、その人が当時就職するときに感じてたことが似てたということがあって。おこがましいんですけど。日常生活で耳に入ってくる日本語とか、テレビのテロップとかでも、ちょっとイラっとくるというか、何これ、っていうのがあって。そういうフラストレーションがあるんです、っていう話をしたら「分かるよ」って言ってくれて、ああ、ありがとうございます、みたいな。ついて行きますという感じになったんです。
――その経験が大きかったということね。
谷井:そうですね。その後、内々定いただいたあとに大学の先輩で最近校閲で入社した別の方ともお話ししたりして、それで改めてこの道に進もうかなと。
――言葉に興味を持ったきっかけは。本をよく読んでいたとか。
谷井:そうですね。本はわりと読んでた方だと思います。あと、中学校のときに担任の先生が「掃除は完璧に」ってスローガンを黒板に書くじゃないですか。その「完璧」の字を見たときに私「璧」を「壁」だと思ってて「あっ先生間違えてる」って言って、理科の先生だから漢字もわかんないのか、ぐらいの上から目線で。なめてたんですよ世の中を(笑い)。正直じゃないですか、中学生だから。それで次の授業に国語の先生が来て「先生、これ間違ってますよね」って言ったら、こういう字なんだよ、完璧の璧は下が玉になるんだよ、こういう語源があって、こういう成り立ちがあるんですよ、って言われて「うそだろ」と思って調べたら本当にそうで。知ってると思っても知らないことがあったり、言葉にも理由があるっていうことにであったいちばん最初がそれぐらいかな。
――新聞各紙を読んだ上で「毎日」を受けたと思うんですが、そのへんのことで何かあれば。
谷井:祖母から強く言われて。「新聞なら絶対『毎日』」って。冗談で言ってたんですよ、「新聞社にも校閲あるらしいんだけど受けてみようかな」とか言ってたら「じゃあ『毎日』受ければ」って祖母に言われて「あっ、そうか」と思って「毎日」を受けました(笑い)。一応読み比べとかはしてたので。読む側じゃないですか校閲って。だから新聞全体の論調みたいなものに自分がちょっとでも違和感を持ってたら仕事として読み続けることができないとおもうので、そこは考えました。
――最後に、いま校閲記者を目指している人にこういうことをしといたがいいよっていうアドバイスをください。
谷井:私はもともと自分の行動とかを、なんでこうなったとか考えたい方なんです。なので、すっごい考えました、面接の前とかは。どんな質問が来ても自分はこうだっていうのを一つ持って。そこからぶれないような答えができれば、向こうがいやなことでも自分であることをアピールできる。あと、2次面接の前に記者の方に「あなた、この会社にいそうね」と言ってもらったことを自信の代わりにしたりとか。
――分かりました。ありがとうございました。