先日の米朝首脳会談を前にして日本の対応を論じた原稿。あまり違和感はもたれないかもしれませんが、適切ともいえないと思われる箇所がありました。
どこかというと…
「(トランプ米大統領に)進言することが安倍首相の役割」という言葉遣いです。
「進言」は目上の人に対して意見を述べることなので、これでは日本の首相より米国の大統領の方が上の立場というのが前提になります。
明鏡国語辞典2版より
現実的にはいろいろな見方があると思いますが、この原稿はそういうことに焦点を当てているわけではありませんし、現在の国際社会では国同士は対等という考え方が基本になっている以上、首脳同士にも上下関係が含まれた表現は使わないほうがよいのでは?と指摘して修正してもらいました。
他に上下関係のある言葉といえば、直す機会が多いのは「いさめる」でしょうか。
これも基本的には目上に対して使う言葉で、毎日新聞のほか新聞・通信各社の用語集が注意喚起しています。
毎日新聞用語集より
こういう言葉は、使い方によっては、違和感をもたれるといったことだけでなく、書かれた人に対して失礼な形になってしまうこともあるので注意したいところです。