「くらい」は、「王の位」「百の位」のように地位や桁を表す名詞なら漢字ですが、程度などを表す助詞の場合は平仮名にしています。ちなみに「いつぐらい」「何時ぐらい」などは新しい言い方で、正しくは「いつごろ」「何時ごろ」を使うと明鏡3版は指摘しています。
ほかにも明鏡では「くらい」と「ぐらい」について、「今は区別なく使うが、古くは、体言には『ぐらい』、コソアド系の連体詞には『くらい』、活用語には『ぐらい』『くらい』ともに付いた」と説明があります。
また、程度をなんでも「くらい」で表してしまいがちかもしれませんが、適切な言い換えとなる「品格語」として、「前後」「ばかり」「ほど」が挙げられています。
日本国語大辞典によれば、この用法は「古代には『ばかり』が担っていたが、中世には『ほど』に移り、中世以降、次第に『くらい』が用いられるようになった」とのことで、「くらい」を使うのは比較的新しいといえます。
使い分け
くらい
位〔名詞〕
王の位、気位が高い、位が高い、位人臣を極める、位取り、位負け、百の位
くらい〔助詞〕
中くらい、どのくらい、100人ぐらい
「どや顔」は、改まった場面で使うなら「したり顔」「時を得顔」。そんな類語が分かる「品格」欄や、慣用句「骨を埋める」を「ほねをうめる」と読んでしまうような気づきにくい勘違いを直せる「読み分け」欄など、#明鏡 国語辞典の新しい工夫につ...