これまで岩波国語辞典が「全くの誤用」としていた「確信犯」の新しい使い方は、8版で俗用扱いになりました。小雨が降ったりやんだりの「雨模様」も「言うことがある」に。もちろん「誤用」判断を維持しているものもあります。7版と比較しました。
by FatMandy新聞は意味を限定する「拘留」「拘留」は刑法に定める「30日未満の自由刑(受刑者の自由を剥奪する刑)」のことで、小型の辞書では、この意味だけを載せているものが多い。一方、大きな辞書では「捕えて、とどめておくこと...
11月22日に発売された岩波国語辞典第8版では、「雨模様」「確信犯」から「誤用」が消えました。「雨模様」は「……様子を言うことがある」とし、「確信犯」は「全くの誤用」と強い文言はなくしましたが「1990年ごろから」という記述が残ったことで新しい使い方であることが示唆されています。
「なしくずし」は「誤用」がなくなり「俗に」として語釈を立てていますが、「『無し』との誤解からか」という説明が入りました。
借金を「なし崩しにする」は、本来と違う「うやむやにする」を選んだ人が大多数でした。現在の「なし崩し」の使われ方は「だめにする」方向ばかりなので、「真面目にこつこつ返すこと」という考え方にならないのは無理のないことかもしれません。...
それに対して「いさめる」「至上命題(至上命令)」「役不足」の「誤用」は変わっていません。
6割が選んだ「至上命題」は誤用とされます。「命題」の意味は「課題」ではないという理由ですが、そうした意識は00年代半ばから出てきたようです。一方で「命題」の意味も拡張されてきており、誤用という前提が揺らぐ傾向にあります。...
「さわり」は「誤用」という言葉を残しながらも「俗に、曲などの出だし」という一つの語釈を立てており、もとの「一曲中で眼目とする、聞かせ所」の意味よりも近年「多く使う」としています。つまり、誤用とはいえ現に使われているところを認めているのですね。
【平山泉】