「市政」と「市制」の違い。市政は市の政治のことで、「市政だより」などはこちら。一方の市制は地方自治法上の市という制度のこと。「市制○年」「市制に移行する」などと使われます。
地方自治法の施行前、市制は文字通りの「市制・町村制」で規定されていました。明治政府の統治機構改革に基づき1888年に公布され、翌年、最初の39市が誕生。その際、「明治の大合併」で約7万あった自治体の数が約1万5000に整理されました。更に「昭和の大合併」、記憶に新しい「平成の大合併」を経て現在は1718市町村まで減る一方、市の数は792まで増えました。最後に市となったのは、2018年に町制から移行した福岡県那珂川市です。
「平成の大合併」の時は校閲も大変でした。日々変わっていく地図になかなか頭が切り替わらず、誤りや見逃しが多発。資料が古くなっていないか常にチェックし、知識や記憶だけで判断しないよう細心の注意を払っていたことが思い出されます。
出勤して、その日最初に読んだのが訂正記事の原稿。「栃木県那珂川町の人口が『約5万人』とあるのは『約1万9000人』の誤り」。いきなり叱られたようなものです。この数字、確かめたはずなのですが……。 もう30年近く前、入社早々の私に...