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駅名につられる
これまでにもとりあげたことがありますが、品川駅が品川区ではなく港区(高輪3丁目)にあるというのは、分かっていてもうっかりはまりそうになる時がある落とし穴です。品川駅の南に「北品川」駅(品川区北品川1丁目)があるのも面白いですね。
似た例として、東京ではJRなどの目黒駅の所在地が目黒区ではなく品川区(上大崎3丁目)であること、
JR新宿駅南口の高速バスターミナル「バスタ新宿」や新宿高島屋の所在地が新宿区ではなく渋谷区(千駄ケ谷5丁目)であることなども「校閲の常識」ですが、折にふれ思い起こしておきたいところ。
ちなみに、山手線の品川駅の北側で隣の田町駅との間の新駅は「旧JR品川車両基地跡」と呼ばれた場所で、こちらも港区なのですが、駅名は「高輪ゲートウェイ」駅。
「ゲートウェイ」が物議をかもしましたが、「高輪」は港区の地名。ただ新駅の所在地は隣接してはいるものの「高輪」ではなく「港南」。やはり安心はできません。
昇格か降格か分かりませんが
「東京都武蔵野区」には、いつの間に?と思わず苦笑い。正しくは武蔵野市ですが、区部に隣接し、人気の吉祥寺エリアがあるほか、タクシーの営業区域は三鷹市とともに23区と一緒になっているなど、区に近い感じを持たれるのは分からなくもありません。
東京では特別区の一部で、権限などが不十分として市への移行を目指す動きがみられたことがありますし、大阪では特別区を創設しようとする都構想があり、市や区の枠組みが変わることも、ありえることかもしれません。
ところで、武蔵野市の南方で区部に接する狛江市・調布市・三鷹市の一部地域には固定電話の市外局番が23区と同じ「03」のところがあります。「03なら23区内」とだけ思っていると、所在地などが誤っていても気づかないおそれも。
駅名と地名のズレもそうですが、境界線の近くでは、割り切れていない状況になっていることが少なくありません。
知られた地名こそ
観光地として全国的に知られる長野の軽井沢。年間の観光客数は約850万人、別荘の数は約1万5000戸(ともに2018年)と、多くの人が集まる洗練されたイメージからか「長野県軽井沢市」という表記に出合ったことが一度ならずあります。
「市」でもあまり違和感がないのかもしれませんが、居住人口は2万人弱(2018年)と、市の要件である5万人(合併の場合は3万人)に届いていません。
めったに出てこない地名なら慎重に確認するものですが、駅名も含め、なじみのある名だとつい知っているつもりになってしまうものも事実。
基本ではありますが、間違いやすいところを知っておくこと、分かっていると思っても念のため確認することが大切です。