単なる打ち間違いによる脱字でしょうか。あるいは見出しでは助詞を省くことはよくあるので、字数を少なくしたくて、あえて「を」を削ったのでしょうか。しかし「やむを得ない」は「仕方ない」ことを表す固定したひとつながりの言い回しで、略すことはできません。
もしかしたら、初めから「やむ得ない」で覚えている人もいるかもしれません。「やむ『お』えず」「や『もう』得ず」などと書く人と似たような誤解をしている人がいるのでしょうか。
ちなみに「やむ」は本来、漢字で「已む」と書きます。「止む」と書いたら間違いとはいえませんが、常用漢字表では「止」に「や」の読みはありません。「已」も常用漢字表にない字なので、新聞では避け「やむ」と仮名書きにしています。