プロ野球で、攻守に活躍した選手が「守備でも魅せた」とありました。「魅せる」という言い方は浸透が進み許容する通信社もありますが、毎日新聞では今のところ文法的に誤り(本来は「魅する」で、過去形は「魅した」)とみなし、使用を避けています。
そのためこの原稿では平仮名書きとしました(「見せた」としてもよい)が、2022年の共同通信社の「記者ハンドブック」では、「『魅せる』は『見せる』と『魅する』から生じた、比較的新しい語で主に芸能・スポーツ分野で使われている」と注をつけて「魅せるプレー」といった表現を認めました。今後新聞でも認められていくかもしれません。
「魅」でもう一つ。「広角への打ち分けが魅力な日本生命の新人」も直したい文です。「魅力」は名詞なので、「魅力な」と形容動詞風に使うのは違和感があるためです。「魅力の」と直すのがオーソドックスですが、「の」が続くためここでは「魅力的な」としました。同様の理由でよく入れる直しとして「盤石な→盤石の」があります。