「知事が任期を迎える2022年度」。ここでは「知事の任期が終わる」という意味なのですが、「知事の任期が始まる」と解釈されてしまう余地がありそうです。言葉を補って「任期満了を迎える」と書けば誤読される恐れはなくなります。
使われがちな書き方なのですが、「任期を迎える」は言葉足らずと言えます。
新聞校閲では省ける文言は極力省くよう努める一方、文意が曖昧になっていれば適宜文言を補うこともしています。
「新型コロナウイルスの新規感染者数が『2桁を上回った』」のような表現も校閲としては気になるところです。3桁や4桁などになったようにも読めますが、確認したところ実際の数字は2桁で、「ここまで1桁で推移していた数字が2桁になった」という意味でした。このような場合は、シンプルに「2桁になった」でいいでしょう。
「夕刊3面、銭湯巡りのコラムで『出掛けよう、タオルもせっけんも準備万端』とあったが、筆者にアピールし『準備万端整った』と補った。『万端』自体に『整う』の意味はなく、これでは不十分なため。『準備万全』でも可」by Rubber So...