「拘留」は刑法9条に定められている刑罰の一つで、同法16条に「1日以上30日未満とし、刑事施設に拘置する」とあります。被告(新聞では刑事被告人を被告と略しています)の段階では判決が確定していないので、容疑者や被告の身柄を拘禁する意味の「勾留」が適切です。
「勾留」の俗称として「拘置」が使われることもあります。以前は「勾」が常用漢字ではなかったため、弊社でも勾留の代わりに拘置を使用していました。
しかし2010年に「勾」が常用漢字に追加されたことで、現在は勾留と拘置を区別し、拘置は「刑罰が確定した者を拘禁する」場合に用います。これとは別に、外国の事件の場合は、法制度が異なり判断が難しいので「拘束」などに書き換えています。
ちなみに2010年の常用漢字改定では「錮」「賂」なども加わったため、以降の弊社の用語集では「禁固→禁錮」「わいろ→賄賂(漢字表記が可能に)」に表記が変わりました。
使い分け
こうりゅう・こうち
勾留〔判決が確定するまでの間、容疑者や被告の身柄を拘禁すること〕勾留期間の延長、勾留質問、勾留状、勾留理由開示、未決勾留
拘留〔30日未満の最も軽い自由刑。主として軽犯罪に〕20日の拘留に処せられる
拘置〔刑の確定した者を拘禁すること〕
注 外国の事件関係で書き分けが難しい場合などは「拘束」を使う