輩出は「次々と世に出ること/世に出すこと」。「歴代の日本代表選手を輩出」などのように、複数の人材を出したときに用いる言葉です。1人の場合は適切ではありません。 1人の場合にも使えるかどうかについて議論がある言葉には「乱入」や「爆笑」があり、辞書によっても判断が分かれます。校閲の現場では、どのくらい許容されているのかなどを社内で話し合いながら、使い方を考えています。
「輩出」を動物にも使えるかは、「名馬」のような特に優れた存在なら差し支えないと考える人が4割強で最多でした。「問題がある」とした人は3分の1強。用法の拡大に抵抗を感じない人も多いようですが、新聞でも認めるかはちょっと悩みます。...
「多くの大臣を輩出」は半数が「気にならない」と回答。「多く輩出」は古くから用例が見られ、他動詞化も容認する辞書が多数で、どちらも大きな違和感はないようです。「すぐれた人材」が「続々と」という意味に注意するのが第一でしょう。...