首相が国会で行う「施政方針演説」と「所信表明演説」。毎年1月に召集される通常国会冒頭にするのが「施政方針演説」です。臨時国会や総選挙後に召集される特別国会、国会の会期途中で首相が交代した場合に行われるものは「所信表明演説」といいます。
所信表明演説では首相が国政全般に関する当面の方針や重点課題について説明します。一方、施政方針演説は首相がその年の内閣全体の方針を示すもので、続いて財務相による財政演説、外相による外交演説、経済財政担当相による経済演説が行われ、これらはまとめて「政府4演説」と呼ばれます。
ただ所信表明と施政方針の使い分けは、慣例的なもので法律上の定めはないそうです。
衆議院事務局議事課によると、最初に行われた所信表明演説は、1953(昭和28)年11月30日に召集された臨時国会での吉田茂首相(当時)の冒頭演説。それまでは首相の演説はすべて施政方針演説と呼ばれていた。
所信表明と施政方針の使い分けが定着したのは、昭和30年代後半から40年代前半。あくまでも慣例的なもので、特に法律で定められてはいないという。
(毎日新聞2007年9月10日)