「雨模様」は本来雨が降りそうな状態を指しますが、最近では「小雨が降ったりやんだりする様子を言うことがある」(岩波国語辞典)。では「雪模様」は? 職場の辞書に「雪が降ったりやんだり」と記述するものは一冊もなく、「今にも雪が降り出しそう」という語釈ばかりでした。
とはいえ筆者が辞書の通りの意味で使っているとは限らず、雪のちらつく状態を「雪模様」と表現したかもしれません。
毎日新聞では、両様に解釈できてしまう「雨模様」を避け、「曇り空の下」「小雨が降る中で」などと具体的に書くようにしています。そのため校閲は実際の天気を筆者に確認してもらうのですが、それは雪の場合であっても同様です。今回の原稿、実際には現地で雪が降ったそうで、「雪模様となった」は「雪が降った」と直しました。
梅雨や台風、時雨など、日本の季節には雨が付き物。雨にまつわる日本語は数多くありますが、中でも「雨模様」というありふれた言葉が校閲記者の悩みの種となっているのをご存じでしょうか。 小雨が降る空という意味で理解されがちな「雨模様(あま...