読めますか? テーマは〈縁〉です。
目次
神議る
かむはかる
(正解率 55%)「かんはかる」ともいう。多くの神々が会議をすること。出雲大社では旧暦10月に八百万(やおよろず)の神々が集って男女などの縁結びについて協議するという。芸能人の結婚について話しているかも。
(2015年11月16日)
選択肢と回答割合
かむはかる | 55% |
ちぎる | 33% |
みのる | 13% |
一押し二金三男
いちおしにかねさんおとこ
(正解率 64%)女性の愛を得るためには押しが強いことが一番大事で、次に金。男前であることはそれほど重要ではないということわざ。思い当たる人も多いのでは?
(2015年11月17日)
選択肢と回答割合
いちおしにかねさんおとこ | 64% |
いちおしにきんさんなん | 16% |
ひとおしふたかねみおとこ | 20% |
赤縄
せきじょう
(正解率 42%)夫婦の縁を結ぶという赤い縄。それで男女の足を結ぶと夫婦になるという中国・唐の故事から。日本では手の小指を結ぶ赤い糸に変わった。
(2015年11月18日)
選択肢と回答割合
せきばく | 22% |
しゃくじょう | 36% |
せきじょう | 42% |
合縁奇縁
あいえんきえん
(正解率 69%)「相縁機縁」「愛縁機縁」などとも書くが毎日新聞では「合縁奇縁」に統一している。気心が合うかどうかはみな縁によるということ。合縁は元は仏教語。
(2015年11月19日)
選択肢と回答割合
あいえんきえん | 69% |
ごうえんきえん | 25% |
あいえにしきえん | 6% |
縁は異なもの
えんはいなもの
(正解率 85%)男女の結びつきは常識では考えられない不思議なものということ。「縁は異なもの味なもの」ともいい、江戸のいろはかるたの一枚になっている。
(2015年11月20日)
選択肢と回答割合
えんはいなもの | 85% |
えんはことなもの | 8% |
ゆかりはいなもの | 6% |
◇結果とテーマの解説
(2015年11月29日)
この週は「縁」、特に男女の縁をテーマにしました。縁結びで有名な出雲大社が旧暦10月に行う「神在祭」にちなんだものです。もっとも出雲大社のホームページ(HP)によると
大国主大神様がお鎮まりになられる出雲大社には、一年に一度全国の神々がお集いになり、さまざまな「縁結」のお話し合いをなされます。
この「縁結」とは男女の縁はもちろんですが、さまざまな人と人、人と物などのあらゆるつながりである「むすび」を意味しています。
ということですので、特に男女の縁に限ったものではないのですが。
「神議る」という言葉はこのHPで知りました。「かむ」は普通に「かみ」とも読みますが、中西進「ひらがなでよめばわかる日本語」(新潮文庫)によれば、「かみ」は韓国語の熊を指す「コム」からきたという説があり、その真偽はおくとしても昔は「かむ」という読みが多かったと思われます。いずれにしても一部でしか使われない特殊な語で、正解率が低くなったのは無理からぬことです。
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しかし、今回最も正解率が低くなったのは「赤縄」でした。普通に音読みすればよい語なので、予想外といえます。「せきばく」は「自縄自縛」の語の連想で付けた選択肢ですが、22%も集まったという結果からは、「縄」の音読みがあまり知られていないということが見てとれます。
それはともかく、中国の「続幽怪録」では男女の足を結ぶことで縁結びの不思議な力を担った赤い縄が、日本でどうして手の小指を結ぶ赤い糸に変わったのでしょう。研究した人はいると思うのですが、その答えを記した文章に出合えません。まったく根拠のない推測ですが、足を綱で結ぶのは心中みたいなので嫌われたのかもしれません。
「合縁奇縁」「縁は異なもの」もともに、男女の縁の不思議さ、つまりは運命論的な感覚がうかがえます。もっといえば、自由恋愛が許されなかった時代を背景に、男女の縁は個人ではどうすることもできなかったという受け身の姿勢が表れているのかもしれません。
しかし「一押し二金三男」ということわざからは、女性をゲットするには押しの一手、という現代の恋愛指南に通じるものがあります。思い出されるのは猛アタックで堀北真希さんのハートを射止めた山本耕史さん。まあこの人は「三」の「男」ぶりもいいのですが。
ところで、この「一押し」とは違う意味の「いちおし」が、「私のいちおしのグッズ」などの用法ではやっているのをご存じでしょう。この場合「いちおし」はどう表記すべきか、しばしば話題になります。意味としては「推薦」だから「一推し」という意見と、推薦することを「プッシュする」とも言うから「一押し」でいいという意見があります。個人的には「イチオシ」と片仮名にするのがイチオシです。俗語ということを強調することで「押し」か「推し」かの問題も解消すると思うのですが、いかがでしょう。