野球のカウントは現在では「1ボール2ストライク」のようにボールを先に言います。プロ野球では2010年から球審がこの順番でコールするようになり、毎日新聞もこの年に表記の順序を変えました。しかし高校野球ではもっと歴史が長いのです。
高校野球で「ボールが先、ストライクが後」のコールになったのは1997年。もう30年近くも前のことでした。
ちなみに毎日新聞が表記をボール→ストライクの順番に変更することを決めた際の社内文書には、次のような注意書きがありました。
当初は混乱も予想されるので、数字だけでなく、ストライクとボールの区別を書き込む(「カウント1-2」と書かず、少なくとも初出は「カウント1ボール2ストライク」などと書く)など、読者に分かるように書き方を工夫してください。
その後15年が経過しましたが、今でも「1-2」などと省略する原稿はめったに見かけません。記者もいまだに「2ストライク1ボール」と書いてしまうぐらいですから、ストライク→ボールの順序に慣れ切ってしまった野球ファン歴の長い読者のことを思うと、まだまだ「1ボール2ストライク」とはっきり書く方が親切ということなのでしょう。