1960年ローマ五輪の男子マラソンを裸足で走って優勝し、「裸足のアベベ」と呼ばれたアベベ・ビキラ選手(エチオピア)。連覇した64年の東京五輪では靴を履いていましたが「裸足で走っていた」というような思い出話が語られることがあります。
ローマで裸足で走ったのも、レース直前にシューズが破れるというアクシデントがあったためだそうです。
イメージが先行し、いつも裸足で走ったかように思われやすいので、注意しなければなりません。
2020年の東京五輪の開催が決定した後、64年大会を覚えているベテラン校閲記者が、「東京オリンピック」に関連する注意点として、まず挙げたのは、この話でした。ローマ、東京での栄光の後の苦難も、あまり知られていません。