読めますか? テーマは〈虫〉です。
目次
蠢く
うごめく
(正解率 96%)虫などがもぞもぞ動くこと。春と虫二つという、まるで啓蟄(けいちつ)のためにあるかのような字だ。音読みはシュンで、蠢動(しゅんどう)の語で知られる。3月5日(2012年)は二十四節気の啓蟄。
(2012年03月05日)
選択肢と割合
うごめく | 96% |
すだく | 1% |
わく | 3% |
蚤
のみ
(正解率 98%)人や獣の血を吸う昆虫。体長1~3ミリだが、中国でこのほど1億年以上前の地層から発見されたノミの化石は、メスで14~21ミリもあった。なお、フリーマーケットを「蚤の市」というが、これはフランス語でノミを意味する語の訳。英語ではfleaでありfree(自由、ただ)ではない。
(2012年03月06日)
選択肢と割合
しん | 1% |
のみ | 98% |
たん | 1% |
獅子身中の虫
しししんちゅうのむし
(正解率 88%)獅子の体内の虫が獅子を食い殺すこと。古くは仏教徒が仏教に害をなすこと。今は組織の一員がその組織をゆるがせる意味で使われる。政党にもいそうだ。
(2012年03月07日)
選択肢と割合
しししんじゅうのむし | 9% |
しししんちゅうのむし | 88% |
ししみなかのむし | 3% |
疝気の虫
せんきのむし
(正解率 80%)疝気とは下腹部や腰の腫れ・痛みのこと。その原因となるといわれた虫がしゃべるのは落語の「疝気の虫」。必要もないのに他人の心配ばかりしていることを指す「他人の疝気を頭痛に病む」ということわざもある。
(2012年03月08日)
選択肢と割合
せんきのむし | 80% |
そんきのむし | 14% |
やまけのむし | 5% |
恙虫
つつがむし
(正解率 85%)つつが虫病を媒介する虫。無事を意味する「つつがない」の語源との説があるが、つつが(病気や災いのこと)の語は虫の名として使われる前からあったようなので、根拠が怪しい。
(2012年03月09日)
選択肢と割合
だに | 6% |
つつがむし | 85% |
ようちゅう | 9% |
◇結果とテーマの解説
(2012年03月19日)
この週は3月5日の啓蟄(けいちつ)にちなんで「虫」のテーマでした。
実は虫をテーマにするのは2度目。以前は「蚕食」「蟄居」「虫唾」「蜂起」「夢虫」でした。
このうち一番低かったのは意外にも「夢虫」の42%。素直に読めば正解になるはずが、あまりに易しすぎて違うんじゃないかと思われたのでしょう。
この時は「蟄」以外すべて常用漢字だったのに対し、「蠢」「蚤」「獅」「疝」「恙」はすべて常用漢字以外の字。なのに正解率はかなり高めでした。もちろん3択なので消去法で当たった人も少なくないでしょうが、常用漢字かそうでないかはさほど正解率に関係しないという一例かもしれません。
ところで、毎日新聞では3月5日「週刊漢字 読めますか?」欄で「獅子身中の虫」を取り上げたのですが、その後「みんなの広場」で「興味を持った」という投書が掲載されました。昨今の政治との関連で注目されたようです。
それはいいのですが、読みの正解率は88%。数字自体は高いのですが、字面だけでみると今回の5本のうち一番簡単だと思っていたので、やや低い気もします。必ずしも万人になじみのある表現ではないようですね。