ネット賭博の疑いで警部補が書類送検されたという原稿に出てきた「掛け金」。「公的年金の掛け金」のように「月掛・日掛などで定期に掛けてゆく金」(広辞苑)ではなく、「賭博で、勝負の結果によってやりとりすることを約束した金銭」(同)なので、「賭け金」です。過去には「命懸け」が「命掛け」、オリンピックの「リオ切符懸け」が「リオ切符賭け」になってしまっていたこともありました。同じ音のため、その都度意味を考えながら読むよう心「掛け」たいです。
使い分け
かける
掛〔一般用語。ぶら下げる、及ぶ〕売掛金、掛け合い漫才、掛け合う、掛け売り、掛け買い、掛け替えのない、掛け金、掛け声、掛け軸、掛け持ち、くぎに掛ける、腰掛け、手掛ける、歯止めを掛ける、保険を掛ける
懸〔託す、願う、勝者に与える〕命懸け、賞金・賞品を懸ける〈懸賞〉、人生を懸ける、望みを懸ける
賭〔ばくち〕賭け事、賭けに勝つ、危険な賭け、金品を賭ける、ばくちの賭け金

「命がけ」の「がけ」は漢字にすると「懸け」。「懸ける」は「失敗したらそれがなくなる覚悟でおこなう」(三省堂国語辞典)ことです。「掛け」はひっかけるなどの意で「声掛け」「時計仕掛け」など幅広く使われます。また「賭け」は「賭け事」など...