正当性を訴える「ヒはない」という言葉。漢字は「否」ではなく「非」が適切です。賛否の「否」は「同意しない」という意味。是非の「非」は「正しくない」という意味です。
「是非」は「正しいか正しくないか」という意味ですが、「ぜひ行きたい」のように、副詞として使われると「強い希望をあらわすことば」(三省堂国語辞典)になります。新聞では副詞の「ぜひ」や「ぜひとも」は仮名書きにして書き分けています。
余談ですが、過去の毎日新聞用語集では「是が非でも」も「ぜがひでも」と仮名書きにすると規定されていました。副詞でそろえたものと思われますが、使用実態になじまないこともあり、今はこの規定はありません。2007年版までは仮名書きでしたが、13年版で漢字になり、最新版もこれを踏襲しています。