文法的には全く誤りのない文章。一度沖縄と奄美に接近した台風が、今度は沖縄・奄美の最も近くに接近する見通しだとも理解できます。しかし「Uターン」という文脈がひっかかりました。「再接近」と言いたかった可能性もあるのでは。
今回の原稿のように両方の解釈が成り立つ場合は、どちらが正しいのかすぐに判断できません。「Uターン」とあるので「再接近」の可能性も考えましたが、初校段階では確たる根拠が見つからず……。
しかし、この原稿の後に出てきた台風の動きに関する原稿には「再び接近する見込み」とありました。出稿元に確認の上、「最接近」は「再接近」と直りました。
文章に違和感を覚えつつもすぐに正否が分からない場合は、あえて様子を見ることもあります。「時間が解決」してくれることもあるのです。
台風について 「再接近」を「最接近」と直すケースは度々あるのですが、一度通り過ぎた台風が戻ってくるケースは珍しく、今回のように「最接近」を「再接近」と直したのは初めてです。