先日の国際親善試合にも出場したサッカー日本代表の三笘薫選手。「三苫」と非常に間違えられやすく、過去には所属チームが注意喚起したほど。実は新聞校閲の現場でも見かけます。
「漢辞海」によると、「笘」は「竹を折って作った簡単なむち」、「苫」は「家屋を覆うために編んだ、カヤ。とま」などの意味があります。よく似ていますが別字で、いわゆる異体字の関係ではありません。「苫」は苫小牧市など、北海道の地名によく見られます。
三笘選手がプロ1年目だった2020年、当時プレーしていたJ1川崎のツイッターアカウントが「三苫ではなく竹冠の三笘」とツイートしました。それだけ間違えられることが多かったのでしょう。機器によっては「三笘」と正しく変換しづらいケースもあるようで、今でもインターネット上では「三苫」がかなりの割合で混在しています。校閲としても気を付けなければいけません。
ところで、今月4試合行われた国際親善試合のうち、パラグアイ戦とブラジル戦は「キリンチャレンジカップ」、ガーナ戦とチュニジア戦は「キリンカップ(サッカー)」と別の名前だったことにお気付きでしょうか。この違いも校閲では要注意とされています。
どちらもキリンビールなどが特別協賛していますが、キリンチャレンジカップが単発の国際親善試合である一方、キリンカップは数チームによる大会形式で行われます。キリンカップの開催は6年ぶりで、日本代表はガーナを降してトーナメントを勝ち上がりましたが、決勝でチュニジアに敗れました。