「副作用」は「薬やワクチンを使ったときに起こる、目的に合わない作用」で、「ワクチンの場合、正式には『副反応』と言う」(三省堂国語辞典)。副反応は新型コロナウイルスの流行以前はあまりなじみのない言葉でしたが、最近はかなり一般的になったように思います。
毎日新聞では「副反応(副作用)」と読者の理解を助けるためにカッコで補って書かれたこともありましたが、もう必要なさそうですね。
厚生労働省の「新型インフルエンザ予防接種後副反応報告について」というページを見ると、「『副反応』とは、ワクチン接種により免疫をつけることに伴って発生する、免疫の付与以外の反応です。通常の医薬品で言う『副作用』と同様の意味です」と説明されています。
デジタル大辞泉も「治療薬による投与目的以外の作用は通常副作用とよぶが、ワクチンは生体の免疫反応を期待して接種するものであり、特に副反応という」としていますが、英語ではどちらも「side effect」と言われるのが普通なので、「副作用」「副反応」は日本語での使い分けといえます。
ところで、副反応という言葉をよく見かけるようになって、今度は原稿で薬の副作用まで「副反応」と書かれてしまうことがありました。薬の方は変わらず副作用で大丈夫です。