読めますか? テーマは〈東北の駅〉です。
目次
盛駅
さかりえき
(正解率 50%)岩手県大船渡市にある三陸鉄道などの駅。東日本大震災による被害を受けた三陸鉄道は2014年に全線で復旧した。盛は大船渡市の中心地区名だが、知らないと「盛岡」の脱字かと思ってしまう。
(2016年03月14日)
選択肢と回答割合
さかええき | 23% |
さかりえき | 50% |
もりえき | 26% |
東名駅
とうなえき
(正解率 55%)宮城県東松島市にあるJR仙石線駅名。東日本大震災による津波で被災し、内陸に移した新駅が昨年開設。渡るのが難しい地を意味する闘灘(とうなだ)が地名の由来という。ちなみに静岡県磐田市東名(とうめい)は東名高速道路脇にある地名。
(2016年03月15日)
選択肢と回答割合
とうめいえき | 21% |
ひがしなえき | 24% |
とうなえき | 55% |
小高駅
おだかえき
(正解率 65%)福島県南相馬市にあるJR常磐線の駅。東京電力福島第1原発事故の影響により休止中。3月、安倍晋三首相が視察に訪れた。今年春の復旧が予定されている。
(2016年03月16日)
選択肢と回答割合
おだかえき | 65% |
こだかえき | 27% |
おこうえき | 8% |
美田園駅
みたぞのえき
(正解率 87%)宮城県名取市に位置する仙台空港鉄道の駅。東日本大震災の津波で被害を受けた同市閖上(ゆりあげ)地区の商店が入る「閖上さいかい市場」に近い。津波到達地にあたる同市美田園の公園で先ごろ、京都で育てられた枝垂れ桜の植樹式があった。
(2016年03月17日)
選択肢と回答割合
うつくしでんえんえき | 8% |
みたぞのえき | 87% |
びでんえんえき | 5% |
堀内駅
ほりないえき
(正解率 43%)岩手県普代村にある三陸鉄道北リアス線の駅。太平洋の眺めが良い。高台にあるので東日本大震災による大きな被害を免れた。NHK連続テレビ小説「あまちゃん」のロケに使われた。
(2016年03月18日)
選択肢と回答割合
ほりないえき | 43% |
ほりゅうちえき | 19% |
ほりだいえき | 38% |
◇結果とテーマの解説
(2016年03月27日)
この週は「東北の駅」。このテーマを取り上げるのは2011年4月以来です。
あのころは連日、被災して不通となった鉄道路線の地図をチェックしていたのが思い出されます。被災者のつらさとは比べ物になりませんが、新聞校閲にとってもしんどい時期でした。
「盛」という駅名や地名は岩手県では有名でしょうが、初めて見たときは「盛岡の脱字か」と思ってしまいました。似た例では広島県呉市の呉線に「広駅」があります。
毎日新聞3月24日夕刊の地図
「東名駅」はつい最近、宮城県東松島市立野蒜小の児童を帰宅させた学校の注意義務違反を認めた仙台地裁判決が出ましたが、その記事の地図に出ていました。出題者がネタ元にしたのは浅井建爾「難読・誤読 駅名の事典」(東京堂出版)。「古くは闘灘(とうなだ)といって渡るのが困難な地を意味し」と地名の由来を引用しました。
「小高駅」も今月、首相が訪れたというニュースに出てきました。この駅と原ノ町駅の間の常磐線は2016年春に復旧する予定とされますが、もうすぐ4月というのに何月何日からという情報はなぜか伝わってきません。
「美田園駅」は第三セクター・仙台空港鉄道の仙台空港線駅ですが、以前「JR」と誤ったことが宮城県版でありました。しっかり確認しなければ。
「堀内駅」は今回最も正解率が低くなりました。毎日新聞ではこれまでほとんどルビが入っていないのですが、知らないとどうしても「ほりうち」と読んでしまいます。地名の語源は「難読・誤読 駅名の事典」によると
中世の豪族の居館を中心に集落の周りを堀で囲った地から生まれた地名だとみられる。
だそうです。でもなぜ「うち」ではなく「ない」なのか分かりませんでした。
さて、きのう北海道新幹線が開業しました。北海道が集中的に注目されていますが、青森県の新駅「奥津軽いまべつ駅」も忘れてはなりません。これは新幹線の駅になるまでは「津軽今別駅」でした。どうして難読とは思えない「今別」を平仮名にしたのか不明ですが、表記するとき「奥」の有無も含めて気を付けなければなりません。
もっともその表記よりも紛らわしいのは、「東北の駅」なのにJR北海道管内ということでしょうか。「JR東日本奥津軽いまべつ駅」という誤記がないか目を光らせたいと思います。