「いくつかの」といった意味で、「数カ国」のように使う「数(すう)」。洋数字に付けて「20数カ国」のように書くと違和感が強いので、漢数字で「二十数カ国」とするのが適切です。ところで、この「数(すう)」、実際にはいくつぐらいをイメージしますか?
「数(すう)」で表す数について、辞書では「二、三から五、六ほど」(明鏡3版)のように結構広い範囲を示しているものが複数見られます。
三省堂国語辞典7版は「三か四、五か六ぐらいの。〔最近は、二か三をさすこともある〕」としており、毎日新聞では現在は4か5としていますが以前は5か6だったそうで、やはり徐々に減ってきている傾向があるようです。
似たところでは「近年」も、人によって捉え方が分かれそうな表現といえます。
「近年」の範囲は「10年程度」までというのが多くの人の一致する見解のようです。実際はもっと広い範囲で使われていても感覚的に理解できますが、あまりいいかげんに「近年」を伸び縮みさせるわけにはいかないかもしれません。
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用語集から
数値を曖昧にした表現は、漢数字で書く。
例 十数人 数十件 五十数億円 何十度も 二、三百人 二十余年
注 「二、三の事柄」など数字が意識されないときは漢数字だが、「20人に2、3人足りない」などは洋数字。ただし2桁以上では「二、三十人」などと漢数字で書き「2、3万人」「2、3000人」としない。「二十余年」は「20年余」「20年余り」としてもよい。