法改正などで名称が変更された職業は、校閲的に要注意です。「診療エックス線技師」もその一つ。1983年の法改正で診療エックス線技師は廃止され、68年に作られた「診療放射線技師」に一本化されました。
診療放射線技師は「病院などでX線撮影・MRI検査・CT検査・放射線治療などを担当する技師。国家資格」(デジタル大辞泉)で、かつては「レントゲン技師」などとも呼ばれました。
「日本大百科全書」(小学館)によると、診療エックス線技師は「100万電子ボルト未満のエネルギーを有するX線の照射のみを行う」業務を担っていましたが、「その後、α線やβ線など取り扱いの拡大に伴い(中略)放射線全般を取り扱う診療放射線技師制度が創設」されたとのこと。
看護婦→看護師や保母→保育士など、男女の区別をなくすために名称が変更された職業がありますが、業務の拡大で変更されたものもあるんですね。
変更される以前の時代のことを書いた記事であれば、古い名称を使うこともあります。記憶の中にある職業名も一度立ち止まって調べてみると、変わっていることもあるかもしれません。