読めますか? テーマは〈城の異称〉です。
目次
白鳳城
はくほうじょう
(正解率 36%)上野城(伊賀上野城)の美称。三重県伊賀市。白い城郭を鳳凰(ほうおう)が翼を休める姿に見立てた。黒沢明監督の映画「影武者」のロケに使われた。
(2016年05月23日)
選択肢と回答割合
はくおうじょう | 31% |
はくほうじょう | 36% |
しらさぎじょう | 33% |
金亀城
こんきじょう
(正解率 53%)彦根城の別称。金亀は城のある滋賀県彦根市の地名。彦根城には彦根市のキャラクター、ひこにゃんが毎日出没。4月にひこにゃんの生誕10周年記念イベントがあった。なお「きんきじょう」と読めば愛媛県の松山城の別名になる。
(2016年05月24日)
選択肢と回答割合
きんがめじょう | 24% |
こんきじょう | 53% |
かながめじょう | 23% |
銀杏城
ぎんなんじょう
(正解率 61%)熊本城のこと。戦国武将、加藤清正が完成させた。西南戦争で焼失、1960年再建。別名は清正が植えたと伝わる大イチョウにちなむ。熊本地震で被災し石垣などが崩れた。
(2016年05月25日)
選択肢と回答割合
いちょうじょう | 30% |
ぎんなんじょう | 61% |
ぎんきょうじょう | 9% |
金城
きんじょう
(正解率 72%)名古屋城の異名。金のしゃちほこが有名なことからの名。加藤清正らが石垣を築いた。1945年、空襲で焼失。名古屋市長は59年再建の天守閣の木造復元を目指す。 なお、大坂城の異称ともされる。
(2016年05月26日)
選択肢と回答割合
きんじょう | 72% |
こんじょう | 22% |
かなじょう | 5% |
鯉城
りじょう
(正解率 72%)広島城の異称。原爆により壊滅、広島城近くにいた捕虜の米兵も被爆死した。1958年復元。なおプロ野球の「広島東洋カープ」の名は一説に鯉城の鯉(コイ=carp)の字からきたという。
(2016年05月27日)
選択肢と回答割合
こいしろ | 14% |
りじょう | 72% |
にじょう | 14% |
◇結果とテーマの解説
(2016年06月05日)
この週は「城の異称」がテーマでした。つまり漢字の読みはもちろんですが、「なにじょうの異称か」を問うクイズとしての側面もあったのです。
伊賀上野城 by T@ka
しかし異称の挙げ方は資料によってさまざまです。例えば「白鳳城」は「伊賀上野城」のホームページにありますが、「ビジュアル・ワイド日本名城百選」(小学館)には「別名 なし」となっています。白鳳城は天守を白い鳳凰(ほうおう)の止まるさまにみたてた名のようですが、1935年の再建。その前の天守は藤堂高虎が普請中の1612年、暴風によって倒壊して以来建てられることがなかったので、歴史上の別名としては採用されなかったのかもしれません。
ここで取り上げるべきか迷いましたが、伊勢志摩サミットがあった三重県の城というニュース性から選びました。他の問題も最近のニュースに何らかの関連があるものです。
彦根城 by 663highland
「金亀城」は国宝彦根城。ちなみに天守が国宝に指定されている城はほかに姫路城(別名・白鷺城)、犬山城(白帝城)、松本城(深志城)、そして昨年指定された松江城(千鳥城)です。なお、彦根城に出没している「ひこにゃん」が今日から明日まで熊本地震のお見舞いに駆けつけるとのこと。「くまモン」とのツーショットが見られそうです。
熊本城
その熊本地震で大打撃を受けた熊本城の異称が「銀杏城」。熊本城のホームページによると、加藤清正が「この銀杏(いちょう)の木が天守閣と同じ高さとなったときに、何か異変が起こるであろう」と予言し、それがくしくも明治10(1877)年の西南戦争のときであったと言われているそうです。西南戦争で熊本城天守閣は焼失したため、現在の再建天守は国宝指定を受けていなかったわけです。しかし「ビジュアル・ワイド日本名城百選」ではベスト10のうち大坂城に続く第2位に選ばれていました。
名古屋城 by Base64
その大坂城は同書では別名が「錦城(きんじょう)」「金城」とありますが、辞書で「金城」を引くと「名古屋城の異称」となっています。辞書では見つかりませんでしたが、同書では名古屋城は「金城」とともに「金鯱城(きんこじょう)」も挙げられています。やはり金のしゃちほこのイメージですね。最近のニュースでは、名古屋城の鉄筋コンクリートの再建天守閣を木造で立て直す構想に、市民アンケートでは62%が賛成したと報じられました。
広島城 by yossey0625
「鯉城」は広島でのG7(主要7カ国)外相会合でケリー米国務長官がサプライズ訪問した広島城のこと。ある百科事典にはこれに「鯉(こい)城」とルビが付いていましたが、広島市育ちの出題者はこの言い方を聞いたことがありません。文献に「こいじょう」というものがあったのか、単なる間違いなのか、気になるところです。