「雨が降らない前に帰ろう」という「前」の例文。岩波国語辞典8版では、今は「雨が降る前に」が普通、などの説明が補足されました。こういう場合は両方言うことができ、以前は「降らない前に」という言い方も多かったのですね。
「雨が降らない前に帰ろう」は、「以内」の意味の「……のうちに」のような用法で「まだ……していない」気持ちを表すと説明されていますが、そういえば、自分も無意識に使い分けているかもしれない……辞書を読んで気づかされました。
明鏡国語辞典はこの点について、「未来を基準にして言う『暗くなる(=暗くならない)前に帰る』などでは、肯定と否定の言い方が同義となる」と書いています。