「毎日ことば」から生まれた本「校閲記者の目――あらゆるミスを見逃さないプロの技術」(毎日新聞出版)の 目次をご紹介します。一部は毎日新聞ニュースサイト「経済プレミア」に紹介されています。
目次
はじめに
「校正可畏」とは
トランプ米大統領の勝利「号外」をチェック
「校閲体験」解説
1カ所見逃しただけで0点
コラム1 校閲いろは唄
1〝誤植〟はなくなったけれど
日本最古の訂正記事
達筆の記者に困らされた時代
2 同音異義語の多さに驚く
使用頻度から見る、今どきの「ハイガイ」主義
辞典はことばてん、事典はことてん
3 同訓の使い分け
新聞で常用漢字外を仮名にする理由
意味を熟知して書き分ける
愛は国境を「超」え、軍隊は国境を「越」える
移動の「渡る」、広範囲に及ぶ「亘る」
4 ヒューマンエラーは「ある」と認める
ワープロの学習機能が泣いている
指が滑って戦国時代劇の世界?
広辞苑の誤植
コラム2 確かに外れてしまっているかも
1 洋数字? 漢数字?
書き分けの基準
2「数え方」も難しい
16年3月は東日本大震災から「何年目」か
法律では誕生日前日に年を取る
3 数字以上に失敗しやすい単位
校閲記者は料理ができなければ務まらない?
常識としてあり得るか、想像力を働かせて
たかが助数詞、されど助数詞
電力(W)は蛇口の勢い、電力量(Wh)は風呂おけ内の水量
4 記号をどう使うか
ハッシュタグ記号はシャープではない
「なぜ新聞は閉じかっこの前に句点をつけないのか。」
々やゝはどう入力する?
コラム3 何でも洋数字に
1 時がたち、時代は変われども
誤ってはならない戦争の史実
見かけなくなった物の名
料理の道具も変わると……
知らなければ着方もわからない「着物」「浴衣」「長じゅばん」
2 困ったイメージ先行?
いかにもそれらしい、「花向け」「真っしぐら」
事実誤認を誘わないように
3 おめでたい日はノーミスで
今では籍に入れてもらわない
建国記念「の」日
えとイコール動物ではない
4 それぞれ、違います
豚の脂は「ラード」、牛の脂は「ヘット」
餅をつくる米は餅米ではない?
食べる海藻、食べられない海草
ヒツジとヤギ
イラストにも目配りを
5 フィクションでも事実は押さえる
それをリュックに入れてはいけない
新幹線はやぶさは上野駅を「通過」した
コラム4 危ないワイン
1「慣用」の言葉
使っている人が多ければ正しい?
夏が来れば思い出す……「ゲキを飛ばす」
「雨模様」は、降っている? 降っていない?
「目線」は俗語か。「上から目線」でなく考える
マスコミの用語担当者たちも迷う表現
三十路って何歳?
2 一字違いでも
もの「に」してはいけない
「ろくなものがない」と「ろくにものがない」
時には体でぶつかってみよう
3 読み手の立場で
配慮に欠ける言葉遣いとは
比喩や文字遣いで「伝える」こと
「思う」と「想う」
司馬遼太郎さんの「おもう」
コラム5 実物は甘くておいしいおまんじゅう
1 名前を誤らないように
多数派に流されがち
ゆるキャラにも「人格」あり
とりどりになっていく日本人の名
「斉」と「斎」は別の字
2 タイトルは作品の顔
題名は命
固有名詞は入れ替え不可
3 地名いろいろ
阿佐ヶ谷駅か、阿佐ケ谷駅か
駅はどこにある?
緊急時こそ冷静に
首都名も揺れる
4 社名、商品名も要注意
実は商標です
ミスは入れ代わり立ち代わり
コラム6 張り紙に残る「誤植」
1「簡潔に」省きすぎると……
「任期を迎え、退任」ちょっと変?
暴力推進? 省いてはいけない
「再選した」のか「再選された」のか
他動詞的用法から自動詞的用法が派生
「たり」が足りない?
2 副詞一つで文脈が変わる
「あわやホームラン」はだれの気持ち?
3 なぜかよくある直し
早いと速いの使い分けで「訂正」
部下を「いさめ」はしない
「ら抜き言葉」は今や多数派
「さ入れ言葉」を使わ「さ」せていただきます?
最後まで気を抜かずに……助詞の仮名遣い
4 コンピューターで校閲は楽になるのか
カと力の違いを見分ける力
どう書きたかったか推理する
頼もしい相棒か、仕事を奪うライバルか
コラム7 現役校閲記者の短歌
おわりに
いただいた感想から
読了。校閲記者の目
実際の赤入れ原稿も見ることができて最後まで楽しく読めた。文法解説が少ないので、同じ毎日新聞・校閲グループが執筆している『ミスがなくなるすごい文章術』よりも私は読みやすかった。校閲はある言葉を選ぶときに明確な根拠がある。その根拠を聞くのが面白い #読者メモ pic.twitter.com/sH19I7yQBD— taniuchi (@tyu778) October 25, 2017
『校閲記者の目』(毎日新聞校閲グループ)。仕事の参考にと思って買いましたが、この本、読み物としてもとても面白いです。「他の数字に書き換えられないような言葉は漢数字で書く」は一定の基準として心強い。 pic.twitter.com/n2Ls8Hcxdg
— PICOROCO (@aof1080) May 21, 2018
「毎日新聞 校閲記者の目」読んだー。良心的な良質な本という感じ。媒体の種類に関わらず踏まえておくことが網羅されているので、基本を整理する意味で読んで損は無し。https://t.co/wFH9S3l1Wm
— めぐりん★ムラータ (@hamtomo) September 16, 2017