「多くの外国人が真面目に働き、慎(つつ)ましい生活の中で母国に仕送りをする……」という文章。節約をしているということなら「つつましい」よりも「つましい」のほうが近そうです。
「つつましい」は「他から見て控えめである。慎重である」(広辞苑)の意味、「つましい」は「倹しい/約しい」と書き「質素である。また、生活ぶりが地味である」(同)という意味です。
しかし「つつましい」には「ぜいたくでない、質素」という意味もあり、「つましい」と重なる部分も。そのため最近では「つましい」と同義で使われることも多いようです。新聞では漢字で「慎ましい」とせず平仮名で書くのですが、下の写真のように単に「つつましく」としようか、それとも「つましく」の方がよいだろうかと迷うケースもあります。
岩波国語辞典7版では「つつましい」を「節倹につとめた『つましい生活』の意に使うのは誤用」と書いていましたが、最新の8版では「節倹につとめたつましい生活の意に使う場合」もあると立場を改めました。

これまで岩波国語辞典が「全くの誤用」としていた「確信犯」の新しい使い方は、8版で俗用扱いになりました。小雨が降ったりやんだりの「雨模様」も「言うことがある」に。もちろん「誤用」判断を維持しているものもあります。7版と比較しました。...
毎日新聞用語集では今のところ両者を使い分ける立場で、「質素、倹約の意味なら『つましい』」と注意喚起しています。