*‥‥……‥‥*‥‥……‥‥*‥‥……‥‥*‥‥…vol.3 *2023.2.14*
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こんにちは! 毎日新聞校閲センターです。

毎日ことばplusの会員の方へ、サイトの注目コンテンツや校閲記者の気になる出来事などを週1回お送りします。

 

岩波国語辞典の意見交換会に参加しました

1月28日、岩波国語辞典の次期改訂へ向けた意見交換会がオンラインで開かれました。編者の柏野和佳子さん、星野和子さん、丸山直子さんに、8版に携わった山田貞雄さん、岩波書店辞典編集部の赤峯裕子さん、奈良林愛さん、平木靖成さんという岩波国語辞典関係者に加え、国立国語研究所の新野直哉さん、講談社の校閲者で辞書コレクターの稲川智樹さん、そして、毎日新聞校閲記者の平山泉、塩川まりこが出席しました。「新聞ではこの使い方を認めているのか」と質問されて、新聞の表記が「見られている」ことに驚きました。また、こちらからは「2刷りで、誤植を直すだけでなく、内容に手を入れることまでするとは」と驚きを伝えたりしました。稲川さんからは岩波国語辞典への踏み込んだ意見が示され、また、出版社の書籍での校閲の考え方が新聞校閲とは異なる点を伺うことができ、私たちにとって非常に勉強になりました。辞書の使い方や言葉について話題は多岐にわたり、楽しく有意義な会合となりました。

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意見交換会に参加した塩川まりこ記者は2020年に新明解国語辞典8版が出た際の取材・まとめを担当。つくり手の熱い思いを記した記事は大きな反響を呼びました。

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「違和感を感じる」が話題に

毎日ことばplusに寄稿していただいている三省堂国語辞典編集委員の飯間浩明さんが「『違和感を感じる』は重言だと言って、機械的に『違和感を覚える』に言い換える例が多い。表現の幅を狭めている気がします」とツイートして話題になりました。毎日新聞では「違和感を感じる」を直すような規定はありませんが、校閲記者としては気になる言葉で、日本新聞協会の用語懇談会でも一昨年に取り上げられました。毎日新聞の小国綾子記者がコラムに書くというので校閲記者にも問い合わせがありました。その際、小国記者が自分の感じる違和感を大事にしたいと話していましたが、校閲記者も何も感じずに原稿を読むのではなく、まずは違和感を持つところが大切なんですという話をしました。

文字にすると違和感が増す「違和感を感じる」

あした元気になあれ:違和感を感じる?覚える?=小国綾子 | 毎日新聞(有料記事)

前リツイート――いつも愛読している毎日新聞の小国綾子さんのコラムで、「違和感を感じる」に関する私のツイートを取り上げていただきました。小国さん自身の過去記事は「違和感が残る」「違和感に襲われ」など表現が多様で脱帽。多くの文豪が「違和感を感じる」を使っていることも紹介されています。

— 飯間浩明 (@IIMA_Hiroaki) February 7, 2023

 

クライミング協会がボルダリング→ボルダーの変更を決める

「日本山岳・スポーツクライミング協会」が2月9日の理事会で、スポーツクライミングのうち壁に設置した突起物を頼りに登り切った課題の数を競う「ボルダリング」について、呼称を4月1日から「ボルダー」に変更すると決めたそうです。
国際的にはこの呼称が一般的なのだそうですが、日本では各地に「ボルダリング場」ができるなどボルダリングが定着しており、新聞としては、どこまで「ボルダー」に変えられるものか、スポーツ記事を扱う運動部に相談し、検討していきます。
ところで、この変更を筆者が知ったのは日経新聞校閲のツイートを見たことがきっかけでした。日経の校閲さん、ありがとうございます!

 

イベント情報

◇オンライントークイベント:「させていただく」大研究(くろしお出版主催)=再掲
なぜ、こんなにも皆「させていただいて」いるのか?
敬語「させていただく」をめぐり、法政大教授の椎名美智さん、 放送大学教授の滝浦真人さん、そしてこちらにも飯間浩明さんが登場して語り合います。
2023年2月23日(木) 14~16時オンライン(無料)
https://www.9640.jp/events/9690/

明解国語辞典刊行80周年記念キャンペーン
三省堂から刊行されている国語辞典「新明解国語辞典」「三省堂国語辞典」の祖である「明解国語辞典」が刊行されてから80周年になるそうです。明解国語辞典が誕生してから国語辞典はどんな歩みをたどってきたのでしょうか。三省堂のサイトではその紹介だけでなく、記念グッズの当たるキャンペーンも。
https://dictionary.sanseido-publ.co.jp/topic/meikok80/

 

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ふわっと使い分ける? 「空気」と「空気感」

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