「たなびく」とは「雲・けむり・かすみなどが、横に長く引く」(三省堂国語辞典7版)ことで、形のないものに使われるイメージがあります。旗には「はためく」や「なびく」を使う方がふさわしそうです。
「はためく」は、「布や紙などが風に吹かれてはたはたと動く」(大辞泉)という意味で、古くは「鳴り響く、響き渡る」という意味の用例もあります。同辞書などによれば、この「はた」は擬音語で、「ばためく」とも言ったようです。
軽く風を受けているような感じであれば、「草や布などの先端が風や水の流れに従って横に傾き伏す」(大辞林)という意味の「なびく」も旗に使えそうです。「相手の威力に引き寄せられて、従う」(同)という意味でもよく使われる言葉です。
マスコミ各社の用語担当者の間でも、「旗がたなびく」は「直す」という意見が多数でした。