
「カスハラ」という言葉について伺いました。
目次
ほとんどの人が分かる言葉に
| 「カスハラ」という言葉、ご存じですか? |
| 分かる 96.3% |
| 分からないが聞いたことはある 3.7% |
| 聞いたこともない 0% |
「カスハラ」という言葉については「分かる」と答えた人が96.3%に上り、ほぼ全ての人が知る言葉になったことが分かりました。2019年春に同じ選択肢で質問した際には8割近くの人が「聞いたこともない」と答えたのを考えると、驚くほどの浸透ぶりです。
既に国語辞典も採録
「カスハラ」を見出し語に採録した辞書は「〔←カスタマーハラスメント〕店などの客による、強要やいやがらせなどの迷惑行為」(三省堂国語辞典8版)と説明します。2021年末発売の三省堂国語辞典に早くも記載されました。愉快な言葉ではありませんが、載せる必要があると判断したのでしょう。
2019年春に同じ質問・選択肢でアンケートを取った際の結果は下記の通りでした。
分かる 11.1%
分からないが聞いたことはある 11.7%
聞いたこともない 77.2%
「分かる」「聞いたことはある」はそれぞれ1割強で、「聞いたこともない」が8割近く。この時点ではまだあまり社会に浸透していなかったことがうかがえます。
しかしその半年あまり後に選考された「三省堂 辞書を編む人が選ぶ今年の新語2019」では7位に入っています。「2018年末に厚生労働省の審議会で『いわゆるカスタマーハラスメント』について議論されたことが報じられたりしたことから、一般に知られるようになりました」とあり、この年にいったん認知度が上昇しています。
その後、質問に答えると表示される解説でも触れたように、コロナ禍の影響もあっていったん下火になりましたが、24年には「ユーキャン新語・流行語大賞」にノミネートされるなど改めて注目されるようになりました。

対策義務付けた法律が施行
25年6月には、事業主にカスハラ対策を義務付ける改正労働施策総合推進法が成立、この10月に施行されています。世相や対策ともに言葉の認知も進んだか、アンケートでは100%近くが「分かる」と答えるに至りました。
今回のアンケートは、全体の回答数が普段に比べて格段に少なかったことも特徴的でした。既にすっかり認知されているので、今さら聞かれても答える気が起きないという人が多かったのだろうと推測します。
以前から存在した事態に言葉が与えられ、言葉が浸透するのに伴って対策も進んだと考えれば、「カスハラ」自体は愉快な言葉ではなくとも慰めにはなるでしょうか。誰しも誰かにとっての「カスタマー」になることはあるものです。この言葉は自分への戒めとも受け止めたいと思います。
(2026年10月06日)
2019年3月のアンケートの再質問です。当時は「聞いたこともない」という人が77.2%と大半を占めました。しかし「カスハラ」はその後、急速に広まった印象があります。
「カスタマーハラスメント」を略した言葉で、顧客や取引先からの不当な圧力を指します。パワハラ対策を事業者に義務付けた労働施策総合推進法は「パワハラ防止法」とも呼ばれますが、26年10月施行の改正法ではカスハラ対策も含まれるようになります。
毎日新聞(東京本社版、地域面除く)に「カスハラ」が初めて登場したのは2018年12月でした。19年には12件の記事に登場。20~23年はコロナ禍の影響もあって各年2~6件でしたが、24年は34件、25年は28件と急増しています。
改正法施行にあわせて改めて伺ってみた次第ですが、今度は「分かる」が大半を占めるのではないかと思います。カスハラが増えたのか、問題視されることが増えたのか。いずれにせよ認知度が上がることで予防できるケースもあることでしょう。今回の結果はどうなるでしょうか。
(2026年09月22日)
