褒めているようなのに「嘆息」? 辞書を引くと「嘆息」は「なげいてためいきをつくこと。甚だしくなげくこと」(広辞苑)とあります。言い換えとして頭に浮かんだ「感嘆」は、1番目の意味が「感心してほめること」(同)。この部分は「嘆息」から「感嘆」に直りました。
複数の辞書で「嘆息」を引いても、ほとんどが「なげく」「悲しむ」「がっかりする」「どうにもならず」「困ったとき」などネガティブな意味合いに限定しています。その中で、大辞林の「嘆いたり感心したりしてため息をつくこと」という語釈は目を引きました。今後、ポジティブな意味にもより一般的に用いられるようになるかもしれません。
「嘆息」と「感嘆」に共通する「嘆」という漢字には「なげく」「なげかわしい」だけではなく、「たたえる」という意味もあります(新漢語林)。また「うたう。感動があふれて声となること」(同)の意味もあり、代表的な熟語は「詠嘆」です。