毎日新聞用語集(赤本)の最新版では、仮名書きにする表現に「電話をかける」が加わっています。
最近のグーグルの検索結果でも「電話をかける」7900万件▽「~掛ける」662万件▽「~架ける」18万7000件――と大きく差がつきました。
一般的に「検索結果は平仮名が多い=漢字で書かれてきたものを平仮名に直してよい」と即断することはできません。例えば、「差がつく」と書いた人の中には「特に何も考えず平仮名で書いただけで、『差が付く』でも別にいいよ」と考える人もいるかもしれませんね。赤本では「差がつく」について特に用字を定めておらず、原稿で「差が付く」とあっても積極的には直していません。ただし、表記の揺れを統一することはあります。
やみくもに「平仮名に直す」「漢字に直す」とせず、書かれてきたものを尊重する……という考え方もあってよいのですが、「電話をかける」については仮名書きが定着していると考えます。サイトの18年のアンケートでも、仮名書きを選択する人が56.8%に上りました。
電話を「架ける」という表記を使うと答えた人は3割近く。「架電」という言葉が浸透していることがうかがえますが、よく使われるようになったのは最近のことのようです。「広辞苑」でも第6版(2008年)で採録されました。...