今年の春、東京本社に配属された谷井美月さんに、この仕事を選んだ理由や経緯、実際に働いてみての感想など、10個の質問に答えてもらいました。
情報の伝達手段が多様化している現代社会の中で、信頼できる情報を発信する側に立ちたいと思い、志望しました。新聞記事では特に、日本語の用法にこだわることができる点が私にとって魅力的でした。
大学生になって間もないころ、「校閲さんはこういうところまでチェックします!」という内容のネット記事を見て知ったのが最初だったと記憶しています。世の中にはこういうおもしろい仕事もあるのだな、と思いました。
校閲という仕事に就きたい、というのは就職活動が始まる前からぼんやりと意識していましたが、新聞社に校閲記者という職種があることは就職活動が始まって、友人に教えてもらって初めて知りました。そのため、決意してからじっくり準備する時間はなく、ただ目の前の課題をひとつずつ乗り越えていくのがやっとでした。そんな中でも、実際に校閲記者として活躍しておられる先輩方とお話しする機会が得られたのはとても大きかったです。
基本的には「紙面の誤字脱字を直したり、書かれていることが正しいかどうか調べて確かめたりする仕事」と説明しています。
新聞社に勤務しているとはいえ、校閲記者は表に出ない職種なので、これといった反応はありませんが、購読者である祖父母から「今日も読んだよ」といった連絡がくると、背筋が伸びる思いがします。
表記を基準に合わせるための直しが多いことはイメージと違っていて驚きました。他に挙げるとしたらスピード感でしょうか。時と場合によりますが、想像以上の慌ただしさでした。
テレビやラジオなど、音声で情報を得るときに、これまでひとまとまりの流れでざっくりと要約して理解していたものを、どこで?誰が?何を?と区切られた形で重要な点を頭へ入れる意識が働くようになりました。
群馬県の遺跡についての記事中の地図で遺跡の位置が間違っていた失敗は、もう一歩踏み込んで調べていたら防げたものなのでとても悔しかったです。
まだ好き嫌いを言えるほど経験を積んでいないためお答えしかねます。
現時点より5年分、校閲記者として成長していることが最低限の目標です。5年後の自分も、初心を忘れずに精進してもらいたいと思います。