目次
庵治石
あじいし
(正解率 43%)高松市庵治町、牟礼町(むれちょう)産出。墓石として知られる。昨日は彼岸の中日。墓参りに行きましたか?
(2017年03月21日)
選択肢と回答割合
あんじいし | 37% |
あじいし | 43% |
いばりいし | 21% |
雄勝石
おがついし
(正解率 40%)宮城県石巻市雄勝町産出の石で、それを使ったすずりは名産品。ちなみに雄勝小・中学校は東日本大震災で被災し新年度から新しい学校に統合される。
(2017年03月22日)
選択肢と回答割合
おがついし | 40% |
おがちいし | 44% |
ゆうしょうせき | 15% |
要石
かなめいし
(正解率 85%)茨城県鹿嶋市の鹿島神宮にある、地震を鎮めるといわれる石。千葉県香取市の香取神宮にもある。江戸時代の安政の大地震を描いた「鯰(なまず)絵」で有名になった。重要なものを表す比喩として用いられることもある。
(2017年03月23日)
選択肢と回答割合
ようせき | 7% |
ようじゃく | 8% |
かなめいし | 85% |
頁岩
けつがん
(正解率 59%)板状ではがれやすい岩。シェールともいわれ、これに含まれる原油やガスが資源として注目される。頁の字は「ページ」の当て字として有名。「漢和辞典的に申しますと。」(文春文庫)で円満字二郎さんは、頁には二つの音読みがあり、薄い板状の意味では「ヨウ」なので、本当は頁岩も「ようがん」と読んでほしいと控えめに主張している。
(2017年03月24日)
選択肢と回答割合
けつがん | 59% |
がんがん | 12% |
かいがん | 29% |
◇結果とテーマの解説
(2017年04月02日)
この週は「岩石」がテーマでした。
正解率の低かった「庵治石」と「雄勝石」は特産地の地名をかぶせた語です。
しかし「庵治石」の出題時「漫画・アニメ界の凄い人たち並べたようにしか見えない」というツイートをいただいて、一瞬なんのことか分からなかったのですが、直後に「そうか、そういうことか」と納得しました。「庵野秀明、手塚治虫、石ノ森章太郎の1字ずつ取って並べたように見えるのね」と。
ちょうどNHKBSでやっていた庵野監督の「エヴァンゲリオン」劇場版を見ながらこの原稿を書いているのですが、徹頭徹尾何もできない主人公の内面の情けなさをひたすら掘り下げていますね。情けなさと対極にある主人公たちを描いた社会派映画「シン・ゴジラ」と、同じ監督ということが信じられません。もしかして「シン・ゴジラ」との関連が指摘される東日本大震災は、庵野監督の内面さえ変えてしまったのでしょうか。
その東日本大震災では宮城県石巻市にある石ノ森章太郎の記念館も被災しました。石巻市には雄勝という地名があり「雄勝石」はすずりとして有名ですが、秋田県にも雄勝という地名があります。秋田県雄勝郡で、これは「おがち」と読みます。
地震の関連で「要石」も出題しました。茨城県の鹿島神宮のホームページによると
地中深くまで埋まる要石が、地震を起こす鯰の頭を抑えていると古くから伝えられています。
水戸の徳川光圀公がどこまで深く埋まっているか確かめようと7日7晩にわたって掘らせたものの、いつまで経っても辿り着くことができなかったばかりか、怪我人が続出したために掘ることを諦めた、という話が黄門仁徳録に記されています。
とのことですが、その鹿島神宮も地震を抑えられず鳥居などが倒れました。
「頁岩」は、最近一時期ほどニュースで見なくなったような気もしますが、円満字二郎さんの「漢和辞典的に申しますと。」(文春文庫)の「ニュースの漢字、気になる漢字」で取り上げられています。
シェールは薄い板状にはがれやすい性質があります。「頁岩」とは、それを“ページ”にたとえた訳語だそうです。
ただ、漢和辞典的に気になることが一つあります。
――この「頁岩」、「けつがん」と読んでよいのかなあ……。
「頁」には二つの音読みがあります。「ケツ」と読むのは、人間の“あたま”を指す場合。それに対して、“ページ”を意味する場合には「ヨウ」と読みます。これは、紙を数えるときの単位「葉(よう)」に由来している、と考えられています。
そこで漢和辞典編集者の「職業病」的立場から「ようがん」と読んでほしいというのですが、そうすると「溶岩」と紛らわしくなることも当然ご存じで「世の大勢には抵抗のしようもありませんけれど」と結んでいます。