「貸し切り」の使い方について伺いました。
客が店を「貸し切りにする」が過半数
レストランを独占利用。団体客がお店を…… |
店を借り切る 32.5% |
店を貸し切る 14.3% |
店を貸し切りにする 53.2% |
本来「貸し切る」は店の側からの言葉だし、「借り切る」は今ひとつ使い慣れない感じがするし……ということで折衷案として挙げた「貸し切りにする」が過半数を占めました。
三省堂国語辞典ではやはり第7版で、「貸し切る」の項目に俗用として「借り切る。『すし屋を貸し切っての宴会』」という、本来とは正反対の意味・例文を載せました。
毎日新聞でも「列車の車両を貸し切ることができる福袋」のように、借りる側が「貸し切る」ことになっている記事をちらほら見かけます。こうした使い方がされるのも「貸し切り」や「貸し切る」の方が、「借り切り」や「借り切る」よりも身近でなじんだ言葉だから、ということなのでしょう。
しかし一つの言葉が、貸す側と借りる側の双方から反対の意味で使われるのでは困る場面も出てきそうです。借りる側からの書き方としては、今回のアンケートの結果にも沿い、「貸し切りにする」を使うこととしてよいのではないかと思います。
(2018年03月11日)
「貸し切り」「貸し切る」というのは基本的には貸す側からみた言葉。「ホテルを関係者が貸し切る」のような書き方にしばしば遭遇するのですが、客の側から「貸し切る」というのは違和感がぬぐえません。
多くの辞書が「貸し切る」の対語として「借り切る」を挙げています。ただ、通常「貸し切りバス」やら「本日は貸し切りです」といった表示を見慣れているせいか、「借り切る」には何となくしっくりこない感じがあります。三省堂国語辞典は2014年の第7版で「貸し切る」の項目に「〔俗〕借り切る」とし、俗用ながら客の側から「貸し切る」という意味で使われることもある、としましたが少数派です。
妥協案が「貸し切りにする」。店側から見て「貸し切り」の状態に客側から「する」という考え方ですが、無理があるでしょうか。
(2018年02月23日)