「力尽く」という見出しについて伺いました。
「力尽く」は4人のうち3人が違和感あり
善戦むなしく敗れたときの「日本 力尽く」という見出し。この「力尽く」、どう感じますか? |
違和感がある 75.1% |
違和感はない 24.9% |
「力尽く」の見出しに違和感がある方はほぼ4人に3人。予想より高い割合でした。
出題時の解説では避けたい理由として、文語的である▽無理やり行う意味の「力ずく」と誤解されうる――の二つを挙げました。
違和感を持つ人が主にどちらの理由だったのか、または他の理由なのかは分かりませんが、この結果を踏まえて「力尽く、という見出しに違和感を持つ人も多いですよ」と整理記者に再考をうながすことはできそうです。
数十年前の毎日新聞で、日仏ラグビーの見出しに「若い日本、力尽く」とありました。
記事によると、日本選抜は「若さにまかせて押しまくり……一時はリードを奪う健闘」とのこと。
「力ずくで強引に攻めた」という意味の見出しかとも思いましたが、読み進めると「後半、世界一級品のフランスの猛攻で力つきた」とあったので、「力尽きる」の意味でつけられた見出しでしょう。
これは両様に読めてしまう出来過ぎの例かもしれませんが、やはり「力尽く」は避けた方が良いようです。
(2018年03月23日)
「尽く」は「尽きる」の文語的表現ですから、「力尽きる」の意味で「力尽く」としても間違いではありません。
しかし新聞は口語での表現を基本にしています。さらに「力尽くで従わせる」のように「ちからずく」とも読めてしまうため誤解の恐れもあるので、この表現はなるべく避けたいところです。
ただ、見出しを付ける整理記者は、少ない文字数にして大きな活字で見せようとします。そこで1文字の節約のために「力尽きる」とせず「力尽く」が登場するのですが……。
「絶対にダメ」とは言えず、判断に迷います。
(2018年03月05日)