なんと「割合」が「割台」に……。なぜこんな紛らわしいことが起きてしまったのでしょうか?
「貪欲」が「貧欲」に化けるなど、似た字を取り違えて覚えている場合に紛らわしい誤植が起きてしまうことはあります。しかし、さすがに「割合」を「割台」と勘違いしている人はいないでしょう。
日本国語大辞典や広辞苑も含め、手元の辞書に「割台」は見当たりませんでした。ただ、「わりだい」と入力して変換すると候補に「割台」が出ることはあるようです。これは「3割台」など比率を表すときに用いられるからだと思われます。「わりあい」と「わりだい」も、打ち間違えないとも言い切れません。そうなると、奇跡的な確率で起きたミスというわけでもなさそうです。
校閲をなりわいにしていると、いかにも間違えやすいような点に注意深くなる半面、予想もしないような間違いにはかえって気付きにくくなってしまうことがあります。常に虚心坦懐(たんかい)に読むことを心がけたいものです。