あるコラムに出てきた「細やかな助言」という表記。もちろん事細かなアドバイスであれば、これで構わないが、よく読んでみると、転職活動中の女性に対して「日々、後悔しないように」「思い悩むと体に変調を来しやすいので気をつけて」など情のこもった4項目だった。
このような場合は「こまやかな心遣い」「人情こまやか」という時の「こまやか」(漢字は「濃やか」。常用漢字表にない読みなので新聞では仮名書き)がふさわしい。
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周りの反応が弱くて「意を強く」した?
福島の大学勤務などを経て古里に戻り、原発事故避難者の力になりたいという医学部教授が、学生らの反応の鈍さを気にしつつ「『遠くで起きたことで終わらせてはいけない』と改めて意を強くしている」。
「意を強くする」は本来「(支持・賛成を知って)心強く思う」という意味の慣用句で、「思いを強くする」とは異なる。出稿元に指摘し、「思いを新たにしている」と直った。
遠くても「密行」、近くても「密航」
米国ニューヨークの空港で、ロサンゼルスに向かう乗客女性のスーツケースに飼い犬のチワワが入っているのが見つかったという話題もの。女性が荷造り中に、チワワが入り込んだらしく、「チワワの密航は失敗」という落ちだった。
だが「密航」は「ひそかに船や飛行機で外国へ行くこと」(広辞苑)と外国へ行くことに限定している辞書もある。長距離空路とはいえ、ニューヨーク→ロサンゼルスは国内線なので、「密行」と直した。短距離でもカナダ行きの便ならば「密航」でよかった。
変換ミス・表現の誤り
×新規性基準 → ○新規制基準
×新聞を定期講読 → ○新聞を定期購読
×前掲姿勢 → ○前傾姿勢
×沖縄の一局で抑止力を担う → ○沖縄の一極で抑止力を担う
×「○△」の相性で知られる○○・△△組 → ○「○△」の愛称で知られる○○・△△組
(ダブルスのペアは相性の良さも知られているだろうが)
【中高正博】