読めますか? テーマは〈誤用〉です。
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須く
すべからく
(正解率 75%)ぜひしなければならないという意味。「すべからく注意すべき表現」などのように「すべき」を伴って使うのが基本。「すべて」の強調表現と誤解されやすく「世論調査はすべからくいいかげんである」などの誤用が多い。須はスの音読みのみ改定常用漢字表に掲げられた。
(2010年08月30日)
選択肢と割合
かしずく | 14% |
うなずく | 11% |
すべからく | 75% |
容貌魁偉
ようぼうかいい
(正解率 94%)顔や体格が大きく立派なこと。「怪異」と混用される場合がある。魁は常用漢字ではないが、魁傑(日本相撲協会理事長・放駒親方の現役時代)など、力士のしこ名にも使われる縁起の良い字。貌は改定常用漢字に選ばれた。
(2010年08月31日)
選択肢と割合
ようかいきい | 3% |
ようぼうけつい | 3% |
ようぼうかいい | 94% |
火蓋
ひぶた
(正解率 87%)火縄銃の火皿を覆い風雨から守るためのふた。戦闘が始まることを表す慣用句「火蓋を切る」は今も好まれ
る。「火蓋を切って落とす」は「幕を切って落とす」との混用とされる。ただし、わぐりたかし氏は火縄銃の実演を見た経験から「実は火縄銃のメカニズムを正確に理解して表現しているといえるのでは」との新解釈を「地団駄は島根で踏め」(光文社新書)で記す。蓋は「ガイ」「ふた」の音訓で改定常用漢字に採用された。(2010年09月01日)
選択肢と割合
ひぶた | 87% |
かとん | 4% |
ぼや | 10% |
眉を顰める
まゆをひそめる
(正解率 89%)不愉快、または心配そうな表情を示す慣用句。顰は顰蹙(ひんしゅく)の顰で、訓は「ひそめる」も「しかめる」もある。一般的に「眉を」につながる慣用句は「ひそめる」で、「顔を」に続くのは「しかめる」だ。ただし「まゆをしかめる」を採用する辞書も少数だがある。眉は「ビ」「ミ」「まゆ」の音訓で改定常用漢字に。顰は不採用。
(2010年09月02日)
選択肢と割合
まゆをひそめる | 89% |
まゆをすぼめる | 5% |
めもとをしかめる | 6% |
頓に
とみに
(正解率 41%)「急に」という意味。だから「最近とみに暑くなってきた」ならともかく「今年はとみに暑かった」は誤用といえる。「特に」の意味と間違って使っていると思われるケースが近ごろとみに目につく。頓は「頓知」のように「すぐに」のような意味もあり、この「とん」が「とみ」に変化したといわれる。ただし「疾(と)し」からきたという語源説もある。なお広辞苑は1991年の第4版から「しきりに」の意味を加えている。頓はトンの音読みのみ改定常用漢字表に掲げられた。
(2010年09月03日)
選択肢と割合
しきりに | 42% |
とみに | 41% |
とっくに | 18% |