
スマートフォンを見る行為と自転車の運転とを同時にする場合の表現について伺いました。
目次
「ながら運転」が6割強
| 「スマホを見る/自転車を運転する」を同時にすること――どう表しますか? |
| ながら運転 63.3% |
| ながらスマホ 13.9% |
| どちらでもよい 8.9% |
| 場合によって使い分ける 13.9% |
スマホを見る行為と自転車の運転とを同時にする場合の表現は、「ながら運転」が最多で6割超を占めました。改正道路交通法の施行で反則金の対象となったものですが、警察では「ながらスマホ」の表記をよく用います。力点の置き方によって使い方の変わる表現だと言えそうです。
警察はもっぱら「ながらスマホ」
スマホやテレビを見つつ食事をすることが問題視されることがあります。こうした食べ方は「ながら食べ」「ながら飯」などとされることが多く、「ながらスマホ」「ながらテレビ」のような表現は見かけません。文脈においてどの行為に力点が置かれるかによって、表現が決まると言えます。その流れでいくと、スマホで通話したり画面を見たりしつつ自転車を運転する行為は「ながら運転」と呼ぶのがよさそうです。
しかし、警察等のパンフレットなどを見ると、主として「ながらスマホ」と記載されているようです。これは、まず自転車を運転する行為を前提としたうえで注意すべきことについて啓発するものなので、あえて「運転」について触れる必要がないためでしょう。この場合は具体的な要素として「スマホ」を取り上げる方がよく、「ながらスマホ」という書き方が使われます。

警察庁「自転車を安全・安心に利用するために-自転車への交通反則通告制度(青切符)の導入-(自転車ルールブック)」から
歩くときは「歩きスマホ」
一方で歩きながらスマホを見る行為は、「ながら歩き」でも「ながらスマホ」でもなく「歩きスマホ」と呼ばれます。以前から使われる「歩きたばこ」のように、歩きながら何かをする場合には言葉を直接つなげることがあるため違和感がありません。また「歩きスマホ」があまりにも日常的な光景になってしまったため、簡略化された表現でも理解しやすいのだろうと思います。

見出しは使い方次第か
新聞記事の見出しではこれまで「ながら運転」「ながらスマホ」の両方が使われています。一般的な書き方としては「ながら運転」のほうが使いやすく、特に自転車の運転に関する問題を取り上げる記事において、一つの類型として取り上げるなら「ながらスマホ」の方が理解しやすい、ということになるでしょうか。
「ながら運転」にせよ「ながらスマホ」にせよ危険であることに変わりはなく、今春導入された反則金も1万2000円と高額です。誰にとっても利益のない行為であることは間違いありません。言葉の使い方も気になりますが、まずはその行為自体がなくなることを願います。
(2026年06月08日)
スマホを扱うと同時に自転車の運転する行為について、新聞では「ながらスマホ」「ながら運転」の両方で見出しになったことがあります。
改正道路交通法が4月に施行され、自転車を運転する際の違反行為に対し、反則金を通告する(青切符制を出す)制度が始まりました。対象となる行為は多数ありますが、中でも「携帯電話使用等(保持)」が注目されています。
自転車運転中にスマートフォンを「手に保持して通話したときや、手に保持して画面を注視したとき」(警察庁交通局「自転車ルールブック」)に適用されます。警察関係の広報文書では「ながらスマホ」と書かれることが多いようです。運転について取り締まるのに「ながら運転」では具体性に欠けるということなのでしょう。
この表現は、どちらを主な行為として捉えるかによっても変わりそうです。岩波国語辞典は「ながら」の項目で「動作Aが動作Bと共に行われることを、Bに伴う状態として示すのに使う」のように説明します。「テレビを見ながら夕食を食べる」ならテレビを見る行為は「食べる」に伴うもの、つまり主な行為は「食べる」の側になるので、略するなら「ながら食べ」でしょう。
自転車の場合、出題者は「スマホを見ながら運転する」と捉えるので一般には「ながら運転」かと思いますが……皆さんはどう感じるでしょうか。
(2026年05月25日)
