読めますか? テーマは〈梅雨時の花〉です。
目次
沢瀉
おもだか
(正解率 66%)水田や沼に自生する水草。6~7月に白い3弁の花を咲かせる。「沢瀉屋」は先日襲名披露があった歌舞伎の市川猿之助さんらの屋号だ。
(2012年06月11日)
選択肢と回答割合
おもたが | 15% |
おもだか | 66% |
さわがた | 20% |
杜若
かきつばた
(正解率 82%)「燕子花」とも書く。水中や水辺に自生。5~6月に紫の花が咲く。染料に用いたことから「書きつけ花」が転じた和名という。「いずれアヤメかカキツバタ」といわれるように、アヤメとよく似ている。
(2012年06月12日)
選択肢と回答割合
あやめ | 8% |
かきつばた | 82% |
とちわか | 11% |
石榴
ざくろ
(正解率 77%)「柘榴」とも書く。6~7月に鮮やかな朱紅色の花を咲かせる。江戸川乱歩に「石榴」という小説がある。なお「榴岡(つつじがおか)公園」は仙台市にある公園。ツツジは漢字では「躑躅」だが……。
(2012年06月13日)
選択肢と回答割合
しゃくなげ | 19% |
ざくろ | 77% |
つつじ | 4% |
額の花
がくのはな
(正解率 40%)ガクアジサイのこと。アジサイはガクアジサイを改良したもの。4弁の花びらに見えるのは萼(がく)で、多数の小さな花を囲っている。アジサイは華やかだが控えめなガクアジサイも美しい。
(2012年06月14日)
選択肢と回答割合
がくのはな | 40% |
ぬかのはな | 53% |
ひたいのはな | 7% |
未央柳
びようやなぎ
(正解率 19%)「美容柳」とも書き「美女柳」ともいう。6~7月に黄色の花を咲かせる。たくさんのおしべが伸びているのが特徴。「雨滴溜め未央柳の長睫毛」(冨山青沂=とみやま・せいき)
(2012年06月15日)
選択肢と回答割合
びようやなぎ | 19% |
みおやなぎ | 57% |
みょうやなぎ | 24% |
◇結果とテーマの解説
(2012年06月24日)
この週は「梅雨時の花」がテーマ。
梅雨時の花の代表格は何といってもアジサイでしょう。でもこの漢字クイズの問題としては「紫陽花」は易しすぎると判断し、変化球の「額の花」=写真上=で出題してみました。俳句では「額紫陽花」は長すぎるためか「額の花」が好まれます。しかし結果をみる限り、あまり知られていないようです。
「沢瀉」の読みは歌舞伎ファンの方には常識でしょうが、市川猿之助襲名のニュースで出てきたこともあり、この週のトップバッターに選びました。ところで毎日新聞などは屋号を「澤瀉屋」と旧字体で表記していました。ところが、一説に澤のつくりは「手錠をはめられた人を見る様子」を表す字だそうです。もちろん字そのものに罪はありませんがね。
「杜若」はアヤメ、ハナショウブと間違えやすい花です。たとえば毎年6月ごろに千葉県香取市で開かれている「水郷佐原あやめ祭り」は、実際にはハナショウブが中心です。ただし、漢字の読みとしてはそれほどまぎらわしくなかったようです。
「石榴」は呉音「しゃくる」が転じて「ざくろ」になったようです。誤答例「しゃくなげ」は「石楠花」などと書きます。
今回最も正解率が低かった「未央柳」。出題者の家で今を盛りと咲いています=写真下。これのどこが「柳」なのか不明で、一説に葉が似ているからといいますが、そうでしょうかねえ。
花の漢字表記には情緒があり俳句や歌などで好まれますが、読めるという前提があってこそ使うべきであり、そうでなければ乱用は避けたいものです。とはいうものの、美しい花を見るだけでなくその名前と漢字を知っていると、なんとなく人生が豊かになるような気がしませんか? この漢字クイズではこれからも折に触れて、動植物の漢字を取り上げていきたいと思います。