
*‥‥……‥‥*‥‥……‥‥*‥‥……‥‥*‥‥…vol.135 *2025.9.23*
毎日ことばplusメールマガジン
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こんにちは。毎日新聞校閲センターです。
毎日ことばplusの会員の方へ、校閲記者の気になる出来事やサイトの注目コンテンツなどを週1回お送りします。
9月21日、朝日新聞と毎日新聞の中堅・若手校閲記者4人が集まりました。オンラインイベント「ことば茶話」の第13回として企画された「赤ペン座談会」です。
毎日新聞校閲センターの入社3年目、大庭穂香記者が黒のシャープペンシルで線を引いたり固有名詞に丸をつけたりしながら読んでいると言うと、12年目の大西咲子記者は赤ペンで線を引きながら読んでおり、若手にシャーペン派が多いようだと解説しました。朝日新聞校閲センターの米田千佐子記者は「ゲラが(シャーペンで)黒い」ことに驚きつつ、赤ペンを使うがカラフルなマーカーを使い分けながらチェックすると話し、武長佑輔記者は最初は赤鉛筆を使っていたが、赤ペンにし、さらに別の種類の赤ペンに落ち着き、確認部分は青ペンで書くなど工夫していると説明しました。
道具の話だけでも、なんとしてでも誤りを防ぎたいという共通の思いを感じたのでしょう。すっかり打ち解けて、さまざまな話題で盛り上がりました。あっという間に90分たってしまい、延長させていただきました。
朝日新聞校閲センターさん、ありがとうございました!!

今からでも有料会員登録をしてくだされば、近日中に公開するアーカイブが見られますので、ご興味ある方はこちらをご参照ください。
実際にあった直しを紹介します。

今年7月、米国のトランプ政権が対外援助機関である国際開発局を廃止すると発表したことについて書かれた文です。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)も離脱くらいしていそうなトランプ政権ですが、過去記事をさがしても、ネット検索してみても、拠出金を削減したことは出てくるのですが、離脱については見つかりません。調べるうち、国連人権理事会から離脱したという記事は見つかりました。毎日新聞ではほとんど使わないその略称は「UNHRC」! 国連人権理事会のUNHRCと国連難民高等弁務官事務所のUNHCRを取り違えたのかも……と問い合わせたところ、やはり誤りで、この部分を削ることになりました。

こちらは2年前。当時の岸田文雄首相が中東を訪問し、イスラム組織ハマスとイスラエル軍の戦闘を巡って各国首脳と協議したことについて書かれたものです。首相はイスラエルのヘルツォグ大統領との会談で戦闘の一時休止などを求めたものの、イスラエル軍は会談の開始直前に攻撃を再開していたというくだりが。会談の時間と攻撃開始の時刻、調べれば調べるほど、会談前には思えません。問い合わせたところ、筆者の勘違いということがわかりました。取り違えや勘違い……恐ろしいのですが、だれにでもあることです。校閲は先入観なく冷静に丁寧に調べて確認するしかありません。
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