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毎日ことばplusメールマガジン
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こんにちは。毎日新聞校閲センターです。
毎日ことばplusの会員の方へ、校閲記者の気になる出来事やサイトの注目コンテンツなどを週1回お送りします。
辞書にかかわる人たちの意見交換や親睦の集まり「次世代辞書研究会」(次辞研)は定期的に勉強会を開いています。8月25日は「コトバの変化と辞書のカンケイ ~若者言葉ウォッチと国語世論調査の現場から~」と題して文化庁主任国語調査官の武田康宏さんと国立国語研究所教授の柏野和佳子さんが対談しました。

お二人とも寄稿していただいたりイベント「ことば茶話」に出演していただいたりと、毎日ことばplusではすっかりおなじみです。
【柏野和佳子さん寄稿】コーヒー豆が「集まる」……辞書では?
【武田康宏さん寄稿】「漢字制限」を超えて
スライドも多数用意してくださって、武田さんの主に「国語に関する世論調査」についての話に柏野さんが解説を加えるという方法で進み、何時間あっても足りない予感がする内容の濃さ。柏野さんも主に大学生ら若者の使う言葉の調査などから世代間の違いを話します。
武田さんは世論調査の参考のために「岩波国語辞典」の当時の第7版を通読したそうで、そのとき「近場」が掲載されておらず「近間」に「『近場』はこれの転か、本来誤り」と注記されていることに驚いたといいます。おお、「近場」については以前、岩波書店に取材させていただいた際に伺っていました(10年ぶり改訂の岩波国語辞典 何が変わった? 編集者に聞いた)。岩波国語辞典の編者の一人である柏野さんは、7版まで存命だった編者、水谷静夫さんの意向が強く反映されていたことを説明しました。「誤り」と書かれていたところについて8版で総見直しをしたそうです。「近間」の注記も見直しの対象になり、全くなくしてしまうのはもったいないと悩みつつ、「『近場』はこれの転か」だけ残し、「近場」の項目を立てたと話しました。そんな経緯があっただけに、柏野さんは「おお、(武田さんに)見つかってしまった」と思ったとか。
ことばについての「現場」から、専門的でありながら柔軟な視点での話は面白く、筆者も非常に刺激を受けました。
9月21日(日)のオンラインイベント「ことば茶話」に向けて4日、朝日新聞校閲センターの方々とオンラインで打ち合わせをしました。
「視聴者の方にまず原稿の流れから説明しよう」ということでそれぞれ説明すると、「そこは同じですね」「あ、そこは違う」と、いろいろわかってきます。新人教育はどうしている? 在宅勤務で困ったことは? 担当面は固定している?……などと尋ねるたびに、方法などで異なるところはあるものの、困りごとや気持ちの面で相通じ合うので「うんうん」とうなずいてばかりいます。
尋ねたいことは山ほどあり、あれもこれもと挙げていくうちに「イベントの1時間半では足りない……」と、始まる前から第2弾を考える筆者でした。
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