*‥‥……‥‥*‥‥……‥‥*‥‥……‥‥*‥‥…vol.79 *2024.8.13*
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こんにちは。毎日新聞校閲センターです。

毎日ことばplusの会員の方へ、校閲記者の気になる出来事やサイトの注目コンテンツなどを週1回お送りします。

世田谷「ひだまり文化研究会」で対談イベント

8月9日、東京都世田谷区在住のシニア世代の方々が集う「ひだまり文化研究会」に招かれ、毎日新聞校閲センターの平山泉用語幹事が、岩波書店辞典編集部の平木靖成さんと対談をしてきました。


同研究会は毎週金曜に各界の方を呼んで講演会を開いており、2年前にも講演した平木さんに声をかけたところ、「同じ話をするより、対談なら……」ということで、平山が加わることになりました。

「辞典編集と新聞校閲の対話」と題し、堅苦しい講演というよりは、2人で自由に雑談をするような……対談イベントのような感じになりました。

「誤り」とされている言い方も、実は古くから使われていることもあり、用法が変化することもあるということを平木さんが解説。平山からは、読者へのアンケートをもとに、受け取られ方が分かれる場合には新聞では気をつけていることを話します。

「数人などの『数』はいくつくらいだと思いますか」と平山が会場に問いかけました。「2、3人」から「7、8人」また「10人よりは少ない」と分かれます。毎日新聞用語集では以前は「数十人」を「五、六十人」としていたものを1996年版から「四、五十人前後」に変えたことを説明し、岩波国語辞典のように「近ごろは三か四かを言う人ふえた」と付記したものもあるのに、広辞苑(岩波書店刊)は「少ない数を漠然と示す語」としか書いていない――と平木さんに「文句」を言いました。それに対し、平木さんは苦笑いしながら「はっきりさせたいなら数字を書けばいい」と反論しました。

何十人も集まった参加者の方々は2時間もの間、笑ったり声をかけたりしてくださって、こちらも楽しくお話しすることができました。司会の方も要所要所で質問を挟んだりして円滑に進めてくださり、あっという間に終わりました。

ひだまり文化研究会の皆さま、ありがとうございました。

最近の直しから

実際の直しをご紹介します。

ある人物が市長時代に対立した市議会の議決を経ずに予算を組むなどしたのは……「専権処分」でなく「専決処分」。行政用語には聞き慣れない言葉もあるので、確認を怠らないようにしなければなりません。


別の日の原稿。「所属」と書いたつもりで「所得」と打ってしまったのでしょう。なじみのある言葉だからこそ、正しく書かれているように見えることもあるので、気をつけなければと思います。
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