*‥‥……‥‥*‥‥……‥‥*‥‥……‥‥*‥‥…vol.121 *2025.6.10*
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こんにちは。毎日新聞校閲センターです。

毎日ことばplusの会員の方へ、校閲記者の気になる出来事やサイトの注目コンテンツなどを週1回お送りします。

6月1日に改正刑法施行

改正刑法が6月1日に施行され、「懲役」「禁錮」が「拘禁刑」に一本化されました。懲役は物品の生産や職業訓練が義務づけられているのに対し、禁錮にはその義務がないという違いがありました。拘禁刑では「受刑者の改善更生を図るため、必要な作業をさせ、指導を行う」と定められており、受刑中に何をするかは柔軟に判断されるそうです。

適用されるのはあくまで6月1日以降に発生した事件・事故についてで、実際に裁判で拘禁刑が言い渡されるのはまだ先です。それに、5月31日までに発生した事件・事故については拘禁刑の対象にはならず、特に時効が廃止されたものなどは何年たとうが懲役、禁錮の対象となります。

毎日新聞用語集2025年版では「紛らわしい裁判・法律用語」の「自由刑」の項目に説明があります。

ここには記事の書き方については明記していないので、改めて社内に通達を出しました。刑法の条文はこれまで「懲役」「禁錮」だったところが「拘禁刑」に置き換えられており、また、「拘禁」には一般用語として「人をつかまえて、とじこめること」(新選国語辞典)という意味もあって紛らわしいので、「刑」を省かずに「拘禁刑○年」「無期拘禁刑」などと書くことにしました。見出しでは「刑」を省くこともあります。

最近の直しから

実際の例を紹介します。あまり「最近」ではありませんが……。

「おいやる」は「追い立ててその場から去らせる」(明鏡国語辞典)ことですから「追い」でないとおかしいですね。一度「置かれ」などと変換したのでしょうか。

そういえば、こんな文もありました。「耐えられない」ような激痛というつもりなのか、それとも……。結局「絶えない激痛」と直すことになりました。絶えることのないという意味だったのですね。

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